Skipping The Tech Conference

今日は The @Scale Conference 2019 なのだがまったく見に行く気が起きず、ふつうに仕事をすることにした。この「見に行く気が起きない」事実が悲しいので気分を書き出して気を済ませたい。

行く気の起きなさ、一つにはこのカンファレンス固有の事情。去年なんとなくさびしい気分になった記憶が億劫さを助長している。他人事感、自分のぼんくら具合をリマインドされる憂鬱さ。

もう一つはコンテンツの浅さ。浅いというと完全にアンフェアではあるものの、この 10 月の @Scale はテーマを絞らない総花的なイベントである。夏の Performance @Scale みたいにテーマが絞られていればいいんだけれど。

今年はトラックが AI, Data Infra, Privary, Security. 盛り上がらない。AI はテーマとしては興味あるけどこの手のカンファレンスは運用とかスタックの話が中心になりがちで、しかし自分はそれより理論やハンズオンを先に理解したいと思っているため噛み合わない。NN フレームワークを hello world したくらいの身の自分が MLOps とか言われてももねえ・・・という虚しさ。

あと @Scale はどうしても宣伝っぽさが強くなりがち。企業主催のテックカンファレンスは本質的に自慢大会なので仕方ないし文句を言う筋もない。Facebook の話とかまさに sponsor session なわけだが、Recruiting 目的ならともかく最近は PyTorch を売り込みたいみたいな下心が透けすぎていて辛かった。なお一昨年は TensorFlow を売り込みたい会社のセッション、去年は GPU を売りたい会社のセッションがだいたい似た雰囲気だったので Facebook を特別責める気はない。

そういえば東京にいたこともたとえば「デブサミ」みたいな総花的なイベントはあまり興味なかったな、と思い出す。東京なら知り合いに会える期待が背中を押してくれたが、ここではそれもないし。@Scale, 最初の頃は FBHQ 開催でもうすこし小規模だったのもあるし、自分もシリコンバレーヒャッホイ、みたいなテンションが多少はあったから盛り上がれたが、今はそういうのが全然ない。自分の中で旬が過ぎたのだろう。

申し込んだのに行かないのは悪いなとは思う。せっかくがんばって準備してくれてるのに、ごめんね。


テックカンファレンス全体への参加意欲も下がっている。貴重な有給をカンファレンスセンターで人の話聞いておわりにしちゃうの?みたいな。どうせ仕事休むならコーヒー屋で考え事しながらブログ書いたり本や論文よんだりした方がよくない?ビデオみるにしても積読テックトーク消化した方が割がよくない?みたいな気持ち。

テックカンファレンスは、そういうケチくささを押しのけ時間の無駄を承知で参加し、ある種の selendipity や inspiration を期待する性質のものだとはわかっている。でも今の自分はそういう無駄を afford できないね。別の言い方をすると、テックカンファレンスは時間を持てるものがその暇資産を投機的に使うための機会だとも言える。羨ましいことですが真似する気にはなれない。

一方でビデオでしかアクセスできないコンテンツというのはある。イベントに足を運ばないにせよビデオを見る行為はもうちょっと日常に織り込んでいかないとなあ。さいきん全然見てない。