Neeva

自分が Google の良心と目していた Sridhar 氏、二年前に会社をやめてプライベート検索エンジンのスタートアップをはじめていたのは知っていたが、昨日 podcast でインタビューにこたえていた。その Neeva という検索エンジンが既にサービスを開始していたと知る。

せっかくなので sign up して使ってみる。$5 / month だが最初の 3 months は無料で、入門セットアップをやると更に 3 months ぶん延長、合計 6 months 無料になる。

他の代替検索サービス同様、ウェブ検索は Bing を使っているらしい。ただ自分でも多少はインデクスをもっているのか、ランキングと表示だけいじっているのか、ニュースとかショッピングとかの検索はそれなりに専用の UI がある。あと Google にはない細々とした設定がある(一方で Google にある機能も色々無い気はする)。

プライベートサーチならではの機能として、Google, Dropbox, Notion などにリンクして Gmail なりノートなりのテキストも検索できるようになる。

モバイルアプリはなくて、ウェブのみ。ただ求人をみたらモバイルも募集してたので、やる気はあるらしい。


せっかくサインアップしたのでデフォルトのサーチにして使っているが、今のところ出来が良いというわけではないね。

個人的に検索は広告やプライバシー以前にスパムが問題だと感じていて、そこに何か答えがあるわけではない。たとえば「電子タバコ」の検索結果とかやばいじゃん。これが "e-cigarette" だと随分マシになるので、労働集約的な解決しかないのではないかという気がしている。

プライベート検索として Gmail が対象になるの、便利といえば便利な一方で脱 Google したい人のサービスで Google アカウントのデータを検索するというのはなんとも皮肉。今後色々なものに対応していくのだろうけれど・・・。ただ世の中の多くの「プライベート」なデータって API ないよね。特にメッセージングの類。Twitter のようなソーシャルメディアも API には制限があるし。

人々はプライベートで ads free というところにどれだけ価値を見出すのだろうね。たとえば Apple / iPhone はプライバシー重視とされているが、人々べつにプライバシーのために iPhone 買ってるわけじゃないよね。出来が良いから買っている。プライバシーは cherry on top of cake というかんじで、大半の人にとってキラー機能ではない。Apple が strategy credit を生かした付加価値としてプライバシーをやるのは正しいが、Neeva どうなのだろうか・・・。Podcast の中でホストが "Apple に買収されるしかないんじゃ?" と突っ込んでいたけど、そういうかんじだよな。

たとえば世の中には VPN のサービスが色々あり、人々は luxury としてそこそこ金を払っている。だからプライバシーに金を払う人はいる。一方で VPN は利便性は損ねない。

プライバシーを気にする人が、DDG のような匿名志向の検索ではなく色々データを預ける必要のある Neeva を選ぶのか、というのも気になる。Ads を介して個人情報を売られるのを気にする勢と、データを預けたらそれが breach される可能性を気にする勢がいるはずで、Neeva は後者の問題を解決していない。

と書いてみると、自分は人類のなかでもかなり pro-Google なバイアスがある身分なので、Neeva の価値をちゃんと判断できる気はしないなあ。まあ無料期間のあいだしばらくは使ってみます。