Tech After This
テック業界、疫病の影響で中長期的にはどうなんのかね。主に自分の雇用が関心。
前提として、世の中全体の景気は悪くなる。回復するにしても、数年以上はかかるとする。サービス業は、長期的にはわからないが数年はどうにもならない被害を被る。ここまでは概ね合意があるように見える。
ここからは個人の見通し: テック産業も不景気の影響を受ける。そして基本的に新しい巨大な価値を生むようなイノベーションはしばらく生まれない(インターネットの祭りが終わってしまったから)。疫病による世間の変化で生まれる/盛り上がるニッチなテクノロジーはあるだろうが (ex: Zoom)、あとは従来の既定路線どおり。ただしタイムラインは変わる。
テック業界最大の疫病受益者は Amazon である。別に彼らが悪巧みをしたとかいう話ではなく、構造として。これまでも買い物は店舗からオンラインへのシフトを勧めていたわけだが、疫病によっての移行が桁違いに加速した。別の見方をすると、Amazon がリテールのシェアを一気に奪った。このマーケットシェアの移行は不景気をふっとばすインパクトがある。
Digital Transformation とかいわれているビジネスシステムのクラウド移行も加速するだろう。その受益者も一番手はやはり Amazon/AWS である。Microsoft/Azure も潤うだろう。Google/GCloud も少しは潤ってくれるといいのだが。WFH が生んだラップトップの特需は特に長期的なインパクトはない気がする。会社で使っていた PC が家に来るだけだから。
電話機業者、すなわち Apple とかがどうなるのか。不景気の影響で高い電話機はしばらく売れないだろう。そういう意味で iPhone SE2 は神がかったタイミングで発売されたといえる。景気がよくなるとも思えないがスマホが生活必需品なのは事実なので、脇を締めて乗り切る感じだろうか。このところ iPhone にひきづられて高価格化していた Android 電話機勢はどうするのだろうね、というかやすいの頑張るしかないと思うのが、頑張ってどうにかなるのかはよくわからない。
検索やソーシャルなのど広告業者。きびしい。別に悪いことはなにもしていないが、広告というのは景気の関数なので不景気になると辛い。Amazon が小売からシェアをとるように、疫病が非オンライン広告からオンライン広告への乗り換えを後押しすることはあるのだろうか。わからん。あまり想像できない・・・。広告業者、Google はきびしいなか少しは収益を diversify できている(クラウドがある)のが救い。Facebook のように広告に絞っていると厳しい気がする一方、会社の勢いでいうと Facebook はいまだ圧倒的なので勢いにまかせて乗り切れるのかもしれない。2009 年の Google がそうであったように。
実世界 disrupt 勢すなわち Uber, Airbnb やその仲間たち。ただでさえ上場後ぱっとしていなかったのが、いよいよ厳しい。数年前は実世界への進出がインターネット業界の未来だと思われていただけに複雑な気分。しかし Amazon だって実世界を相手にしたインターネット企業なのだから、別に実世界進出がだめなわけではない。Uber みたいのがダメだったという話だろう。
最近元気だったインターネット企業というと Slack とかのモダンエンタープライズ。このひとたちはどうなのだろうね。DX の加速に便乗できるのか、保守化した顧客は MS とかの手堅い方に流れるのか。
勤務先はどうなるのかね。不景気による広告の目減りをどこまでしのげるのだろう。一年くらいは現金があるので大丈夫だろうが、そのあとの冬の時代をどう生き延びるかをかんがえないといけない。会社がどう生き延びるかではなく、冬の社内をどう生き延びるかという話。
クラウドは相対的に存在感を増すだろう。しかし underdog である事実が変わるとも思えず、ついでにあまり興味がわかない。クラウドを使うのはいいが、中の人には特になりたくない。
電話機は・・・心配。ハードウェア業みたいに金のかかる博打、金がなくなったらだめそうじゃん。もっと OS とかのプラットホームに近づいておく方が安全なのだろうが、あいつらとはほんとに音楽性が合わないのだよな・・・。
検索と広告。なくなることはないが、脇は固くなるのではないのかね。どのみちそんなに興味ないけれど。動画。ユーザは増えているのだろうが、UGC をとりまくきな臭さが消えることもない。
タイミングを見計らってクビにならない場所に軸足を移したほうがよい気がする一方、別に今の仕事は嫌いではないしやることもあるので、雇用のためだけに逃げを打つのは気が乗らない。しばらくは現状維持、クビになったら撤収、くらいのつもりでいる方が地に足ついてる感じがする。
というか、アクションをともなうなにかについて考える心の余裕がない。現状維持で大丈夫と思い込みたい引力が強すぎる。