Mystery of DSLR
定期的にフルフレームのセンサーがついたカメラが欲しいなーとインターネットを眺めて時間を無駄にしている。ここ一年くらい、大手カメラ会社がフルフレームのミラーレスを発売しはじめてまた欲しいなーという気持ちが高まるような高まらないような感じである。
自分はスマホというミラーレスな世界を基準にカメラのテクノロジを学んでおり、その目から見ると DSLR というは割と謎な存在である。というか、DSLR の存在はいいとしてミラーレスより DSLR の方が良い、という主張がいまいちよくわからなかった。
DSLR はビューファインダーが光学なのがユーザから見たミラーレスとの大きな違いの一つである。DSLR をありがたがるとはつまり光学ビューファインダー (OVF) が好き、という話だと解釈できる。
でもさー。いくら OVF が鮮明だろうが、記録される画像はセンサー経由なわけじゃん?そんならセンサー経由の画像を見て撮影した方がよくね?露出とか、センサーの感度も影響あるよね?
まあ電子ビューファインダ(EVF) はダイナミックレンジが少ないから・・・みたいな主張はありうる。でもセンサーも肉眼(の体感)よりダイナミックレンジないよね?トーンマップが挟まるとしてもやはりセンサーの限界みたいなものを撮影時に確認しておく方がよいのでは?
もう一つの主張としては EVF は遅い、というのがある。スマホだとふつうに 30fps は出るのでいまいちこの感覚はわからない。ハードウェア頑張れという話ではなかろうか。それに暗いところで撮影するならシャッター時間のレイテンシがあるから、どのみち遅いのでは・・・と思ってしまう。
更にいまどきすべての DSLR には液晶がついている。みんな画面みてとらないの?というと VF の方がいいという気持ちは理解できるし自分も VF 好きだけれども、一方で可動画面を使って撮影する場面などではいよいよ OVF 意味ない。もうわざわざ鏡いれてまで OVF つけなくていいじゃん?大変じゃん?
まあおそらくこういった現実があるからこそ各社ミラーレスを発売したのだろうけれど、なぜ 2019 年までかかったのかはだいぶ謎。現実的な解像度フレームレートで EVF を表示するというのは、よっぽど大変なのことなのだろうか。大変だということなのだろうなあ。
しかし自分が使っている Panasonic のマイクロフォーサーズのミラーレスとか先祖は 2010 年くらいからあるはずで、これは他のカメラ会社もだいたい同じ。つまりテクノロジーは持っていたわけじゃん。大きなセンサーサイズが EVF に与える影響もそんなに大きいとは考えにくい。各種画像処理はダウンサンプルしたあとにやればいいはずだし、筐体がでかくなるぶんバッテリーを含めたハードウェアの性能には余裕があるはずだから。やはり Sony 以外のフルフレームのミラーレスが去年までなかったのは謎だよなあ。
企業には文化的なしがらみというものがあり、それが原因であるという説も見かける。会社員としてそれは理解できないではない。ただアナログからデジタルへの移行ならともかく、デジタル化が済んでるならどうかんがえても OVF より EVF の方が自然じゃね?と思ってしまう。
というわけで DSLR の存在は割と謎。特に大手三社の異常な足並みそろえっぷりが不気味。談合では、みたいな疑惑をもちたくなる。それともなんらかの共通要素技術ボトルネックみたいのがあるのだろうか。Android スマホにおける Qualcomm みたいな・・・。
といいつつちょっと前まではレンズもいっぱいあるし相対的に安いし DSLR 買ってもいいかもな、と思っていたが、あるとき OVF はホワイトバランスとかやってくれない?ということに気がついて思いとどまった。あぶなかった。みんなミラーレスがんばってくれ。