Beyond BOLD

昔々 BOLD internship という種類のインターンをホストしたしたことがあった。これはマイノリティを積極的に採用してみるインターンシップ、みたいなもので、東京だとそれは概ね女性を採用するということを意味した。

対象が学部生だったのでバーはちょい低め。実際コード書き能力はたいしたことなく(自分の学生時代のことを棚上げした発言)、成果もさほどではなかった。とはいえ翌年ふつうのインターンで帰ってくる人も多く、たまに LinkedIn に通知がくるとかで進路を見ると、大学院に進んだあと今をときめく感じのかっこいい会社でエンジニアしていたりする。自分がホストしていた学生だけでなく、同じ時期に同じ BOLD で採用された別の人も似た感じで活躍してるもよう。すごい。

こういうのを見ると、ソフトウェア開発キャリアにみられるジェンダーの偏りはまだ環境側で改善できることは色々あるなと思う。この人々の技術力がインターン当時たいしたことなかったのは事実で、いま活躍しているということはそのあと頑張った、ということであろう。(実際、ブログとかをみるとえらい頑張ってる様子が伺えるケースもあった。ストーカーじゃないよソーシャルメディアかなにかで流れてきただけだよ・・・。)

学生は、たとえば大学院二年間ガチっとがんばればふつうに一人前以上の実力になれるわけだから驚くべきことではない。しかし「がんばる気になる」という部分で女性の足を引っ張る環境圧があることはジェンダーの議論においてよく知られている。あのインターンシップ経験がそうした環境圧を押し切る助けになったのか、当人たちがもともとガッツある系だったのかはわからないが、いずれにせよすごいなと思う。

一つ大きな反省があるとすれば、自分はだいぶバイアスがあったね。担当したインターンはふつうにおしゃれ女子大生(※差別用語)で、採用してみたはいいがほんとコード書くんかいな・・・みたいな気分は自分の中にゼロではなかった気がする。その気分がバイアスであることはその時点でもわかっていたので補正するよう気にしていたが、十分だったとは思えない。

今もしおなじような立場のインターンを採用したら、自分は「こいつは 5 年後に一定の確率で景気のいいウェブ企業とかのソフトウェアエンジニアとして活躍している」と心の底から信じることができる。その高い期待値を持って接することができる、気がする。

まあ件のインターンさんは自分の雑ホストだったにもかかわらず活躍するに至ったのだから、ガッツある系だったのだろうな。