Your Responsibility, My Problem

他人になおしてほしいが困るのは自分、というバグがある。バグトラッカーには owner の概念があり、これはふつう直す人を意味するが、直す人とそのバグがなおる事実を気にする人は別なことが多く、(例: API を実装する人/使う人)なおる事実を気にする人が誰かをコミュニケートする良い方法がない。

これは自分の周りではどう解決されているかというと、基本的には TPM や EM が「直る事実を気にする人」を代表し、hotlist で気にするバグを管理しつつ定期的につついて回っている。ただこの方法は機能しないことも多い。なぜなら TPM/EM のつつかなければいけないバグが多すぎるし、当事者ではないから伝言ゲームになりがち。やはりできるだけ直してほしい本人がつつくべきで、システムにもそれを支援してほしい。

したがってバグには「直ることを気にする人」すなわち owner と、それを直す「assignee」が別に存在すべきなのではないか。

とかおもったけど、これは管理社会へ続く道への一歩であって、やはり直す人が決定権を持っている方が健全だな。こういう願望が頭をもたげるのは「直してほしいのに治らない」という organizational malfunction への反応であって、その正しい解決策は上のアイデアのような脊髄反射ではない気がする。

健全なのは、直したいとおもっている当人や関係者が踏み込んでいって直せる状態にすることかもしれないし、場合に寄っては問題解決がおこるスループットの上限を受け入れることかもしれない。他人になにかを強要しようとするのは傲慢だし、自分がやられたらイヤだよね。

しかし締め切りのプレッシャーに晒されながら直してくれよオオとかイライラしているとなかなか一歩下がった価値判断をするのは難しいのであった。