職場における自分個人の進行管理

締め切りの存在や打ち寄せるバグの波と戦うべく個人レベルのプロジェクト管理的なものを真面目にやる必要性を感じはじめ、どうすべきかと考える。道具に頼りたい性格なので、のっかるツールやアプリの選択に思い悩む時間が長い。

何度か書いているが勤務先にはまともなプロジェクト・タスク管理システムがない。一番近いのは bug tracker. ただしこいつは内製で、市販品と比べ出来が良くない。なので今まではテキストファイル (というか Google Docs) に目先のリストを書き出したりしてたが、それはそれで破綻しがちだった。現実問題としてこの tracker が組織の source of truth である事実から逃れることはできない。なのでへぼいなりに受け入れてみようと決めた。

まずは真面目に使ってなかったマイルストンとか優先度とかをちゃんと書いたり、タスクを以前より細かくバグにして登録してみる。わるくない。TPM 氏も喜ぶであろう。が、まだ日々のワークフローを支えきれる感じがしない。すなわち自分のやるべき仕事リストや優先順位などの source of truth を tracker に突っ込みきれていない。

何らかの bug tracker を個人のタスク管理に使うにあたる大きな問題のひとつは、(組織の)バグトラッカーを(個人の)タスク管理に使うギャップにある。自分は個人的なメタデータをタスク/バグに紐付けたいが、それをチームに見てほしいわけではない。たとえば「このバグよくわかんないからほっといて風化してもらおう」みたいな意思決定は表立って伝えたくない。ほかには自分の目先の優先度(例:今週やる)と、チームの優先度(例: 次のリリースまでにやる)はだいぶ粒度が違うが、tracker の優先度はチームの事情でつけられているので自分の好みで勝手に付け替えられない。

アジャイル!とかいいだすとそういう組織と個人のギャップを埋めたツールを作ろうとしたりするわけだが、今の自分の関心ではないのでもっと適当にやりたい。

そんななか tracker のドキュメントなどをじっと睨んでいたら、このギャップを乗り切るための機能がみつかった。

一つは hotlist(label) の ACL. すなわち自分にしか見えないラベルをバグにつけることができる。これで組織の粒度から切り離した個人粒度なラベルを付けられる。いいじゃん!というわけで「すぐに見て返事する(バグの分析など)」「今週やる(主な仕事のコード書き)」「小さい暇ができたらやる(クリーンアップとか)」に相当するラベルをつくり、目先のバグを割り振る。ほんとは自分にしか見えないコメントとかもつけられると最高なんだけど、文句はいうまい。

もう一つの機能は、機能というよりは運用なのだが、申請して自分専用のバグ component (カテゴリみたいなもの)を作ることができる。つまり「製品 X のアプリのバグ」というかわりに「自分のバグ」を登録できるようになる。(製品単位でなく組織全体で一つの tracker を共用している事実を思い出されたし。)結果として自分のタスク(例:経費精算する)とチームの製品のタスク(例: このバグを直す)をフラットに管理できる。いいじゃん!これだよこれ!

GHE とかだったら自分のアカウントで適当な repo をつくってその issue を使えばいい話だろうから何も特別ではない。でも大企業の古臭い内製 tracker の運用上の工夫が bureaucracy 的かったるさを回避させてくれた事実は appreciate してもいいのではないか。

仕事タスク管理に希望の光が挿した年の瀬。来年も会社員やってくぞ!