Link: The Friendship That Made Google Huge | The New Yorker

via The Friendship That Made Google Huge | The New Yorker

Jeff / Sanjay が長いことペアプロをしていたというのは有名な話で、以前にもどこかで読んだことがある。自分が入社したころはまだやっていたらしいが、入社後初出張ツアーで冷やかしにいったときは不在だった。かわりに Gosling がいた。ははは。(遠くから見ただけだよ。)

AI 部門のトップになると聞いたとき、TensorFlow は Jeff Dean 最後の戦いなのだという自分の予感は深まった。コードを通じて会社を支えてきたけれど、何千人もいる部門のトップになってしまったらコードなんて書く暇ないじゃん。GFS / MapReduce / BigTable とちがって TensorFlow はオープンソースになり、専用のチップも作り、会社の総力をつっこんで開発を進めている(ように見える。)最後の戦いに相応しい舞台だとは思うけれども、勝手に悲壮感を感じてしまう。

会社のために AI 部門とインフラ部門へ袂を分けた二人が、けれど月曜は朝早くオフィスにきて、かつてのようにペアプログラミングをする。かつてにように二人で互いに LGTM し、かつてのようにコードをコミットしていく。

Jeff / Sanjay がコードを書いている限りこの会社もなんとかなる、とは別に思わない。どちらかというと、組織がどんどん大きくなり、自重で崩れかかっているこんなときでも、二人でコードを書く大切な営みを一週間のなかの少しだけは守り続けている。人として大切なことをすべて投げ捨ててはいない。そんな事実に安心する。会社はともかくあの人達は大丈夫と。億万長者相手に余計なお世話だが。


テクノロジー資本主義に荒波が打ち寄せるその朝、失望したユーザの罵声と政治家の叱責が空を埋め尽くし、デモ行進の果て暴徒と化したアクティビスト社員が放った炎に二階建ての旧本社ビルが燃え落ちるなか、オフィスの片隅で二人は、いつもようにコードを書いていた。ここが遅いな。どうしたら速くなるかね。まずはちょっとコードを整理しようか。人々が投げ棄てた暗いコードベースに、小さく静かな LGTM が灯る。

悲しい話だと思いませんか。