長続きするコツ

Under The Radar Podcast のバックナンバーを聞いていたら、100 回目のエピソードで長続きするプロジェクトのコツ、のような話をしていた。奇遇にも、最新回の Linear Digressions は 4 周年記念のエピソードだった。

Under the radar では、とにかくはじめるのが一番難しく、そのできの悪さに挫けず試行錯誤して良くしていこうな、物欲とかで procrastinate しないほうがいいよ、というような話だった。Linear Digressions は、なにをきっかけに podcast をはじめ、今でも続けているのはなぜかを話していた。

Under The Radar の二人はフリーランスのアプリ開発者で、番組の動機も割とはっきりしている。すなわちある種の self branding と、あとは sponsorship の収入である。同じ relayfm の仲間で ATPAnalogue podcast に出ている Casey に至っては、Podcast の収入を足がかりに会社員をやめてフリーランスになった。この人達は言ってみれば職業 IT 芸人であって、その事実を隠してもいない。(最近の Analogue はそんな話ばっかし。) ついでに Soft Skills の人もこの枠にいる。

自分は昔は IT 芸人的なものをバカにしていたし、もともと IT 芸人を自称した人々にも自虐のニュアンスは若干あったと思う。嫌儲サブカルチャーの空気を孕んだこういう蔑視の気持ちはしかし、自分の中では姿を消した。これはこれで entrepreneurship だと思うし、会社勤めをせず one's own boss でありたい気持ちも以前よりはわかる。会社員しんどいとか、家族と一緒にいたいとか、あるよねという。

とはいえ、自分がより共感できるのは Linear Digressions の二人だな、とも思う。彼らは sponsor もとっていないし、co-host のうち data scientist で話をリードする Katie はともかく software engineer で聞き役を担う Ben に至っては特に self branding できてる感じもない。Ben は動機をこう説明する: Podcast は普段の仕事と全然違って気分転換できるホビーになってるし、 data science のように縁遠い世界とわずかながら接点を持てるのも良い。

まあこの二人は若くて羽振りのいいテック会社員なので謎の entrepreneurship を発揮する必要がないという面はあるのだろうけれども、意識高い感じがときどきしんどい Under The Radar と比べ力が抜けていて良い。完全にステレオタイプ発言だけど Millennial 的とでもいおうか。

自分にとって Podcast の継続というのは完全に他の家庭及び仕事の事情とのトレードオフで、うまくならないから辞めたいとか飽きて辞めたいとかは、今のところ特にない。一方でそのトレードオフは tight なので、たとえば人事考課のスコアが下がったままだったらこのまま podcast とかやってる場合じゃないなとも思う。

それでも Ben の話を聞いていて、自分の podcast はキャリアには全然寄与しないけれど論文なり何なりを読んで話をするのが楽しい趣味で気分転換にもなるのは確かだな、とは思った。頻度や質に妥協することで仕事の厳しさが続いても細々と続けていけたら良いなあ。Blog にしろ Podcast にしろ、時間のかかる趣味であることよ。

ただまあ生活かかってる手前、仕事を優先しないといけないのは避けられないね。人生いっぱいいっぱいなのは困ったことだけれども, that's life.