You Need A Budget

Audible の力によりようやくゆこっぷ(おくさん)にを読んでもらうことに成功したので自分も復習のうえ家計の立て直しを始める。

YNAB を使う。一部にファンの多い opinionated な家計簿ソフトウェア。自分も上の本を読んで興味をもった。彼らの pitch は色々だが、素朴な家計簿予算システムとは大きく2つの違いがある。

  • 予算カテゴリに優先度をつけ、優先度の高いものが over budget になったら優先度の低いものを諦め補填することを勧めている。そのため伝統的には同じカテゴリになる項目も優先度に応じてカテゴリをわけたりする。たとえば Groceries と Eat Out とか。Groceries が overspent だったら eat out を諦めて groceries を補填する。まあ英語だともともと groceries と eat out はわかれてそうだけど、日本語だと伝統的には「食費」でひとまとめだよね。かわりに食費と日用雑貨が groceries でひとまとめになっている。(Groceries は雑なカテゴリな気もするが、結局は supermarket で買うものということなので理にはかなっている。)
  • Monthly の budget で扱いにくい不定期、大型の出費は、項目毎にゴール額を決めて毎月資金を積み立てる。これは当たり前っちゃ当たり前だけれど、素朴な家計簿アプリは支援してくれない。YNAB には支援がある。不定期な出費には、たとえば旅行や正月のような予測可能な出費もあれば、クルマのトラブル、病気、冠婚葬祭のような予測不可能(だが不可避)なものもある。これらも優先順位の一部として他のカテゴリと予算をわけあう。(例えば他で overbudget した月は旅行のための積立を止めるなど。)

自分たちの主要な関心は後者、不定期大型出費の扱い。自分たちはしばしば旅行やガジェットなどの大型出費をするわけだけれど、こいつらの扱いが不透明なせいで日常の budgeting が意義を失っていた。日銭をケチったところであるとき雑に散財しちゃうんでしょ・・・という。加えて子供用品のような中規模高頻度不定期な出費が重なったせいでいよいよ budgeting が崩壊し、精神衛生を損ねていた。これらをシステムとして扱えるのはよい。YNAB によって出費の優先度に関する夫婦間の意見の不一致がなくなるわけではないけれど、カンと雰囲気だけで決める今までよりは生産的な議論ができることでしょう。

これは要するに欲しいものがあったら金を貯める、というだけの話ではあるものの、その前提でツール全体がデザインされているので今まで使っていた Mint.com とはだいぶ趣が違う。

Mint はクレジットカードの不正出費を見張る役には立っていたけれどbudgeting tool としていまいち actionable でないのがよくなかった。具体的には preset のカテゴリーから逸脱するのがすごく大変なのと、月をまたいだ大型出費を扱う仕組みがないこと。

YNAB には、なんとなく TODO アプリを使いつつ腑に落ちない気持ちでいたあと GTD の本を読んだあとのような説得力がある。一方で personal finance のような pervasive な話題をライフハックみたいなノリで扱っていいのか不安もある。まずはちゃんと personal finance を勉強したほうがよくね?みたいな。たとえば YNAB は借金生活から脱出したい自転車操業生活者が主要な対象ユーザなため、retirement fund の話とかはでてこない。それはいいのか。

まあ、しばらくためします。

2019/12 追記

このあと半年から一年くらいで挫折した。代替は未定。