HTML Imports の死

Polymer 3.0 は HTML Imports をやめて JS の modules に移行するという。もうこれで HTML Imports を使う人はいなくなった。どのブラウザにも実装されなかったし、仕様自体も HTML Modules だかなんだかに morph しているらしい。詳しいことは知らないが・・・。

HTML Imports の仕事はたぶん 1-2 年くらいやっていて、開発者あたりの社会へのインパクトという意味では自分の人生で一番大きなプロジェクトだった。Shadow DOM とか Custom Elements も序盤のコードは結構書いたけれど、一番大変な後半の ship するところは他の人がやったからね。HTML Imports は仕様も書いたし一応 ship までやった。

そんな人生最大の仕事がウェブ標準の黒歴史として葬り去られた。悲しい。けれど一番の後悔があるとすれば、これを ship 前の早い段階で殺さなかったことだとずっと思っていた。Web Components の中で, HTML Imports だけは明らかに異質だった。Layered Architecture の principle に反していた。これはだめだという感覚がずっとあったけれど、それを信じることができなかった。これはダメだといえば、人々は聞き届けてくれたかもしれないのに。そしてそれは、自分の仕事の重要な部分であったろうに。勇気も自信も、よりよいアイデアもなかった。

だから HTML Imports が消えて無くなったこと自体は、落胆よりも安堵が大きい。自分の不甲斐なさのツケを、誰かが払ってくれたということだから。そのコストは大きなものだったけれど。


仕事であっても自分が正しいと思うことをやる。プロジェクトの価値観と自分の価値観の整合性に気を配る。この黒歴史を通じ、自分はそんな個人的な学びを得たのだった。