Giving up "Clean Architecture"

Bob Martin の Clean Architecture を読んでいたのだが、あまりに価値観が違いすぎる上にその主張の説得力がなさすぎかつすごいエラそうな文章にムカつきが限度に達してしまい、半分くらいで脱落。後半もパラパラ眺めたけど同程度にむかつくかんじだったので自分向けの本ではなかったらしい。

Architecture というのはプログラマの世界ではだいぶ強い言葉で、Architecture だの Architect だのを名乗るなら語られるべきことは色々ある。でもこの本は基本的に依存関係を整理して testable にする話しかしない。Bob Martin はつまるところ SOLID の人なのでそういう話になるのは仕方ないと言えなくもないけれど、そんなら Architecture とか大層な語を使って新刊を書いたりせず昔書いた本を改定しときゃいいともうのだよな。

色々ムカつくところはあるのだが、まず昔話が多い。2017 年にテープの話とか初期の UNIX の話とかを引き合いに出して誰かを説得しようとすんな!昔話から説教に入るとかマジ老害にもほどがある。そしてデータベースは detail, フレームワークは detail, UI は detail, そしてアーキテクチャは detail 無しで議論して細部はあとで決めればいい、とか今時なにいってんだとしか言いようがない。否応無しにフレームワークやクラウドと心中するこの時代、心中したくないなら明示的に心中しないと決断してその agnostics のためのコストを議論しなければいけない。UI にいたってはもうおまえは WebView で Responsive Design でもしてろとしか言いようがない。

読んででここまでうんざりする本は久しぶり。こいつのせいで読書の進みが止まってしまった。真面目に中身を紹介する気になれない(通読もしてないし)なので、真面目な critical review を探してる人は Amazon.com のコレとかを読むと良いでしょう。


自分はオンラインにある Bob Martin の記事を読み、この人とは反りが合わないと薄々感じていた。でも Clean Code(r) なんかはよく必読書に上がってくるし自分も SOLID などを扱う初期の著作にはお世話になったので、食わず嫌いはせず最新作を読んであげようと思ったのだった。でもガチで老害だったわ・・・。老害という単語は ageism なので普段は使いたくないんだけれど、あまりに絵に描いたような駄目っぷりで罵りたくもなってしまうよ。

ただまあ、世の中には反りの合わない人もいるという話なのだろうな。こういうやり方を突き詰めていくことに意味のあるジャンルもあるのでしょう。Piece of mind のためもう Bob Martin には近づかないようにします。


副次的発見として同じ ex-ThoughtWorks 勢でも相対的に自分はまだ Gregor とは気があうと思った。"The Architect Elevator — Visiting the upper floors" とかエラそうではあるけど時代精神を感じるじゃん。