Sincerity

きのう WWDC の中継をみながら野次馬 Twitter をするなか、最速を名乗る Safari の参照ベンチマークがぜんぶ自家製であるという野次 tweet としたら翌朝おもったより retweet されてしまい、居心地が悪くなって削除した。

自分は unlearning のためブラウザのニュースはなるべく読まないことにしており、件のベンチマークの中身がどんなものかまったく知らない。調べる気もない。そんな無関心なものについて知ったような顔で何かいうのはよくない。それ以前に同業他社の仕事についてとやかくいうのは品がない。こういう発言をすることに慣れてしまうと自分の sincerity を損なう気がする。HomePod くらい自分の素人ぶりが自明なものに雑な発言をするのには、大して心も傷まないのだけれど。


ベンチマークを作るのは報われない仕事だ。安定して意味のあるベンチマークを書くのは難しい。にもかかわらずそれ自体で何かが速くなるわけでもないし、速くできる確証があるわけでもない。的外れだったり出来がわるかったりすると誰からも相手にされず技術的負債にすらなる。出来がよかったらよかったで、競合がガンガンチューンしてきて負けてしまうリスクもある。

それでもベンチマークを書くのは、遅いものを知っていて、速くしたい意思があるからだ。なので特にブラウザのベンチマークというのは誠実なものが多い。

だからベンチマークを書いた事実を揶揄してしまうとプログラマとしての精神性が損なわれてしまうな・・・・と反省した。