Debates

結局 Presidential Debates は三回とも観てしまった。一回目以降は時間の無駄だった気もするけれど、まあ四年に一回だからよしとしよう。

自分は debates というものがまったく好きではないことを自覚した。Debates は conversation ではない。相手ではなく聴衆に話しかけている。二人並べることに生産的な意味合いがない。二人並べておくと 半リアルタイムで相手を罵れるぶん盛り上がり、聴衆の気は引きやすいだろうというのはわかる。 こうした debates で poll が動くことも多いというけれど、こんな茶番で政局が決まってしまうのはちょっとやだね。

Presidential election debates のおかげで人々が選挙自体に関心を寄せる面はあるとも思う。あと本来なら特に聞きたいとも思わない対立候補の主張を強制的に聞かされるというのも、気分は悪いが視野が広がる、こともある。おおむねこいつはやっぱりダメなんじゃないかという確信を深めるだけだった気もするけれど・・・。

あわせて選挙関係のニュースもよく読むようになった。普段あまり気にしていないアメリカの事情やアメリカ人の関心がわかるのはよい。

たとえばしばしば話題でてくる coal miner. 炭坑のない国から来た身としてはほとんどファンタジーの中の存在だった。でも US だと消費電力源の 3-4 割が coal で、しかも 20 年くらい前は更に 2 割くらい多かった。これだけの coal を自国で掘っているなら、たしかに coal miner も沢山いるのだろう。そして単なるしがない肉体労働者かとおもいきや意外と稼いでいる。そんな稼げる仕事が政策の煽りでなくなったと感じていたら、取り返したいと思うのはわからなくもない。

銃にしても、しょうじき Second Amendment は自分には狂ってるとしか思えないが、アメリカ人からみたら憲法第9条も狂ってるんだろうなとは思う。そして Second amendment を尊ぶ人々の振る舞いに article 9 を尊びがちな自分が向ける視線は、湧き上がるアメリカってヘンな国だよなという印象の出処を端的にあらわしている気がする。

などと疲弊したあと Barak および Michell Obama の昔のスピーチをみるとなんだかすごくキラキラしていて, 2008 年の選挙はきっともっともっと盛り上がって楽しかったのだろうなと思いを馳せる。そんなキラキラスピーチの原稿を書いたとおもわれる元 Obama の speech writer は ハリウッドの screen writer を目指すと職を辞し、今はなぜか政治 podcast をやっている。聞いてみたらずいぶん軽薄でびっくり。失望しつつ、これもアメリカらしさなのかとちょっと思ったりする。