自転車通勤
通勤用の自転車を盗まれた。自転車置き場には切断されたロックが残されていた。以前は盗難防止のため室内に置いていたのだけれど、引っ越したあとは隣人がみな家の外に置いているのと居間が狭くなったなどのなりゆきで屋外に置いていた。鍵を頑丈なものにアップグレードしておくべきだったが、していなかった。うかつ税。
自分は会社員になってからずっと自転車通勤をしている。運動好きではないが、だからこそ強制的に体を動かす仕組みがないと運動不足になると社会人になる直前の自分は考えた、のだった気がする。結果としてはすごくよい判断だった。我ながら偉い。
会社員になる直前の春休み、そんな話を近所にすむ高校時代の同級生に話したら、それじゃあ良い自転車を買いましょうとサイクリングが趣味の彼は言い、新宿の大きな自転車屋に連れて行ってくれた。はじめて乗ったママチャリよりも高級な自転車は軽く速く、自転車通勤は思っていたよりずっとラクなものになった。転職をまたいでも、勤務先の規則をしらばっくれたりしつつ自転車通勤を続けた。先の盗まれた自転車は三代目。今や自転車通勤は自分の職業人生の重要な構成要素になっている。
自転車通勤の良いところはカロリー消費と気分の良さ以外にもいくつかある。労働時間の長かった最初の勤務先では、終電を気にしなくて済むのが嬉しかった。終電の時間が過ぎても会社に泊まらなくていい。いつでも家に帰って寝られる。すばらしい。とか当時は思っていたけれど、終電過ぎまで働く時点でどうかしていたとも言える。
腱鞘炎のため自転車通勤をやめておもったことは、会社についた瞬間に心拍数と体温を少し上げておくのは一日をはじめる大切な儀式だったということ。会社の前で通勤バスを降りてオフィスに踏み込むと気分が晴れない。自分が車酔いに弱いせいもあるかもしれないけれど、朝から少し気分が悪く、疲れたかんじがする。血流に背中を押してほしい。
まだすこし腱鞘炎が残っているので、最近は歩いて会社まで行くことにした。だいたい似た効果が得られる。でも 40 分くらいかかるので往復はできない。体力ではなく時間がない。
次は奮発していい自転車を買いたい気もするけれど、また盗まれると悲しい。ひきつづき数百ドルのクロスバイクかなあ。