On Leaving
ベイエリア、けっこう人の出入りがある。入ってくるのはさておき、知り合いがどこかに行ってしまうのは淋しい。東京にいたときは周りの友達がいなくなることなんてそうそうなかった。この churn は外国人でいる寂しさの一部なのだろう。
ベイエリアでは、というかきっとベイエリアに限らないと思うけれども、新しくやってきた人はよく「永住ですか駐在ですか何年ですか」と訊かれる。聞く側にしてみればあとで淋しい思いをしないための防衛線なのかもしれないけれど、感じの悪い質問だとも思う。自分たちだっていつ挫けるなり飽きるなりクビになるなりして引っ越す羽目になるかわからないのだから、相手の身の上を詮索せずに付き合えれば良いのにね。
この地に家を買うと、それは永住にむけたコミットメントと見ることができる。子供が進学して学校に友達ができると、親の意思とは無関係にある種の強い関係が生まれ、出て行きづらくなる。だから相対的に永住側へ傾いた人はいる。それでもいざとなったら帰ってもいい国がある自分たちは恵まれていると思う。生活水準が大きく違う emerging な国から来た人々からは帰りたくない切実さを感じる。外国ぐらしをしているうちに生まれ故郷が内戦などで危ういことになってしまう人もいる。そんななか帰れる場所があるありがたさといったらない。景気動向を踏まえると日本がいつまでも平和で暮らしやすいという確信はけれど・・・。
寂しさは、淋しいより辛い思いをしなくていい恵まれた身分の証なのかもしれない。せいぜい cherish しておきたい。