2015/04/21: Annual Positivity

2014 年 2 月に引っ越してきたので1年以上たった。1年経ったまとめとかは特にしてないのだが、なんとなく今の暮らしや仕事の良いところを書いてみる。愚痴ばっかり書いてんじゃねーという指摘を受けたのと、自分を励ますため。個人の体感であってベイエリア生活や Google 社員を一般化するものでありません。めんどっちいので blog には書かず、知り合いにシェアして気を済ませておく。以下順不同。

生活編:

天気/気候。気候の良さの帰結を想像するのはけっこう難しいかもしれない。それはたとえば、お昼ご飯を外で食べられるということ。Google オフィスの社食、半分以上には屋外のパラソル席がある。そこでご飯をたべる。気分いい。考え事ついでの散歩とかも天気がいいと気分いい。それは例えば、自分の傘を持っていないということ。ここ数年は干ばつのため例年以上に降ってないらしい。でもそろそろ欲しいな、傘。

自然。開発しすぎだの水不足だの言うけれど、なんだかんだで東京都心よりもずっと植物がある。散歩とか自転車通勤とかが気分いい。アパートの庭にリスだの小鳥だのが来たりもする。ちょっと面白い。あと Yukop(おくさん)主導で毎月ハイキングしてる。ハイキングできるエリアまでは車で30分くらい。自分では運転してません。すみません。

家が広い。アホみたいな家賃を払ってる帰結なのだけれども、まあ広い。東京では夫婦で六畳1Kに住んでたから雲泥の差。広いとなくなるストレスというのはある。たとえば台所が広いので自炊がはかどる、一人がテレビを見てても他方に干渉しない、猫が走り回れる、など。あと敷地内にジムが付いてたりする。ジムとプールは家賃高いアパートにはだいたいついてる。

建物やお店が少ない。建物、特に高いビルがすくないぶん圧迫感がない。少し気が楽。お店がすくないと、なんとなくの買い食いなどがなくなり、細々した出費が減る。外食は月に数度。でかけるより家で作って食べたほうが楽だから。お店がすくないのは欠点でもあるが、その話はスコープ外。

変わった食材を手に入れやすい。移民居住区のため、中国人向けスーパー、韓国人向けスーパー、インド人向けスーパー、メキシコ系スーパー、よくわからん地中海系っぽいスーパーなどが(自動車で)まあまあ近所。インド料理は適当に作ったら辛すぎたので自粛中。中華調味料系はなんでもあって重宝する。韓国スーパーは日本に近いものが日本スーパーより安く売っているのと、冷凍食品が妙に充実している。あと豚肉ね。カットのバリエーションが豊富でさすが焼肉の国。

あまり人混みがない。なくなってわかる、実は人混みはけっこうストレスだったという事実。モールなどではそこそこ人混みしているけれど、新宿渋谷と比べたら荒野みたいなもん。自動車渋滞はあるけれど、僕は自転車通勤なので影響少なめなのだった。

テック会社がいろいろある。Google はおいておくとして、30 分のチャリ通経路に LinkedIn と Microsoft と Mozilla と Coursera とあとなんかもう一個くらいある。駅前に Apple と Nokia がある。Yahoo や Apple の通勤バスが走ってるのを見かける。ハイウェイを走ってると Intel, Adobe, Oracle, Salesforce, Evernote, etc. が見える。週末などで Palo Alto までいくともっと今時なやつらがいろいろある。アメリカテック企業憧れ世代なので、こういうのを見るとわけもなく気分が盛り上がる。そういうところで勉強会があったり、遊びに来いよと誘われたりもする。勉強会の類はもうちょっと行きたいなあ。

同業者が近所。Apple ... は最近は縁がないけれども、たとえば Web Components 売り込みにちょっと Mozilla 行ってくるわ、みたいのが普通にある。Microsoft 本社もいちおう国内。PM とかはたまにミーティングしに行ってる。ブラウザ固有といえば固有。W3C の会合も近所が多い。もう行かないですが。同業者だけでなく Web API を使ってくれている会社に行ったりもしてるらしい。僕は行ったことなし。

US オンリーネットサービスが使える。Spotify, Netflix, Google Express など。Kickstarter も送料が安い。

日本のネットコンテンツを見なくてもピアプレッシャーがない。はてなブックマークだのまとめサイトだのをぜんぜん見なくなった。ネット中毒者である自分には有意義。英語圏コンテンツはまあ、見てます。いいんだよそれは。

飽きない。なんだかんだで新天地だから色々物珍しいし、挑戦してるという緊張感は生活の張りになってる。人生退屈だわーという感じはない。

仕事編:

オフィス。広い。まあ広いのも良し悪しだけれども、今回は良い話だけ。自席が広いのは割とどうでもいい(というか席は特段広くない)けど、たとえば駐輪場が広いと停めるのがラク。六本木は大変だった・・・。あと天気と自然が相まって敷地内の散歩がはかどる。

オフィス、ゆとりがあるだけでなく、単純に規模がでかい。なので自分のことを知ってる人が誰もいない場所、というのが別の建物に行けば簡単にみつかる。そういうところで昼飯をたべたり仕事および趣味コードを書いたりすると職場なのに一人の時間を味わえる。けっこうよい。

偉い人が近くにいる。新しいプロジェクトの情報とかが入って来やすい。世の中で広く使われている製品(Chrome)に関する意思決定がどのような空気によって起こるのか、などがわかる。わかったからどうということもないけれど、でかくて広く使われているソフトウェアをどんな人がどんな風に作っているのかは年来の謎だったので答えに近づける excitement はある。個人的にはこれが一番大きい。

仕事の選択肢がいっぱいある。本社だし。東京でやってるプロジェクトがつまらないものだとは思わないけれど、選択肢の量はたぶん二桁くらい多い。人数が全然ちがうからね。Chrome の中でも Google 全体でもそう。

レビューの返事が速い。時差がないため。まあ実際は相手次第だけれども、速い時はすごい速い。

いわゆる待遇がよい。タダ飯、給料など。このへんは東京 Google も良かったけれど、違いは近隣の競合も待遇を競い合っているので全体的にソフトウェアエンジニアの待遇は良い。転職しようとして実際にそれら良い会社に入れるのかはまったく自明でないが、それについて考えるのはまた今度にしておく。少なくとも選択肢はある。

W/L バランス。異常によい。これはベイエリアで一般化はできないし Google でもいろいろあるとおもうが、今のプロジェクトはおっさんが多いなどの理由によりみな大変帰りが早い。帰るのが早いだけでなく来るのが早い人も多いね。僕は遅めだけど、周りが早く来て早く帰るので残業圧がまったくない。早く帰るのは家庭の平和に大きく寄与するので重要。ちなみに早く帰った分の時間は概ね炊事に消えている。趣味は炊事。


書き出してみると、仕事より生活の positivity が多いことに気づく。Google は完璧ではないにせよグローバル企業たろうと頑張っているから、東京と US の差は意外と大きくない。違いは主に規模から来ている。そういう意味では Google で働くことの良いところ、という話も書き出してみると面白いかもしれない。そのうちね。

生活の違いは大きい。でも家賃含め金がかかると車必須なところ以外はけっこう気に入ってるね。払いのいい仕事さえあれば楽しく暮らせる気がする。その前提が成り立ち続けるようがんばりたいもんです。

以上、1年分のポジティブな話でした。